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デタラメに強い人間がこれから生き残る
2015/3/25 塾長ブログより
 
今朝の塾生君との話
 
まあ、いつものことだけど、「ライティング」をシェアしながら、話は曲がりくねってあらぬ方向へ展開してく。8時半からはじめて9時半の掃除の時間までたっぷり話し込む。時の経つのも忘れて10時近くになってしまうこともある。

どんなふうに流れて塾生君が大学の「囲碁サークル」に入っていたところへ来たのか、うまく思い出せないが、そこに逢着して、今の季節のように、一気に話題に花が咲いた。囲碁の天文学的な雰囲気に少なからず興味を抱いている僕が「囲碁って面白い?」と聞いたことがきっかけとなって、話はAI(人工知能)の話題へと移っていく。
 
テーマは「AIに取って代わられない人間になるにはどうしたらよいか?」
 
将棋の世界ではAIがプロを破ったことがしばしばニュースとなるが、囲碁では聞かない。やはり、囲碁はまだまだAIの及ばない世界だって話になって、それから、このテーマで白熱した。

「そういえば、将棋でもAIに勝ったことがあるそうです。そのときプロ棋士が使った戦法というのが、定石に関係なくデタラメの手を打ってみるってやつで、そうしたらAIはそのまま固まって投了となったらしいのです」

塾生君のこの発言に面白がった僕が、

「記録に残っている棋譜がすべてインプットされているAIの弱点は、あえて定石を外して崩したデタラメさ。そのデタラメの地点から勝負に出たら、棋士の思惑通りになって勝ったというわけだ」

と、応答する。さらに続けて、

「だとすると、AIの知能も底が知れている、人間に追いつくにはまだまだだね」

と、畳み掛ける。塾生君も反論する。

「いや、そうではないらしいんです。2045年にはAIが人間に負けない知能を持つようになるという見解もあります。産業革命、IT革命に続いて、30年後にはAI革命が来るらしいんですね。AIも人間並みになるということらしいのです」
 
そんなの無理だ!、可能だ!のやり取りがしばらく続いて、話はすっとわき道に入った
 
「それにしても、ここ10年で世の中、えらい変わりようだね・・・」と、21世紀になってからPCを覚え、つい最近まで携帯すら持ったことのなかった僕がいまやiphoneをある程度使いこなしていることの感慨、驚き等をしみじみと語り始めた。そこから話は世間話に一旦それて、閑話休題、思い出したように話が再開される。

僕らにとってはいつもの流儀である。

「かつてこんな話を聞いたことがあるよ。学者に博学のイメージを持っている人は多いと思う。たくさんの書物を読んですべて記憶しているような物知り博士のイメージがあるが、実はそうではないらしい。研究室にある夥しい蔵書の、一冊一冊のどこに何かが書いてあるかを正確に記憶しているだけ、それだけでもすごいことなんだけどね、つまりね、学者に必要なのは夥しい知識の量じゃない。優秀な学者ほど記憶力よりも思考力に長けている、考えてみれば当たり前だよね。とすれば、インターネット検索がこれほど広まった現在は、誰もが学者の端くれには成れる時代になった。逆に言えば、思考力や創造力のない学者や専門家はふるい落とされて、優秀な素人に取って代わられる。学問の門戸が開かれたと同時に学者には厳しい時代になったとも言えるね。知識だけで専門家として居座っていられる時代は終わった」

「そうですね。大学でもPCを使った蔵書利用の仕方を教える授業があるくらいですから」

「AIの父といわれるマービン・ミンスキーはそう遠くない将来、語学でも数学でもあらゆる科目の知識や考え方がPCにインストールするように人間の脳にもインストールされる時代が来ると予測している。もしかしたら、人間はあらゆる知識がデフォルトされた状態で生まれてくるようになるかもしれない。それが現実になる時代がやってくるかもね」
 
「やだなあ~、みんな画一化されてしまう」
 
「そうじゃない、知識はすべて平等に与えられて、そこから先が勝負になる。思考力、想像力、創造力、対応力等、人間特有の能力の差によって個性が築かれていく。たとえばね、コンピューターのさきがけのIBMが最近AI開発に力を入れて農業のAI化を推進している、新聞に書いてあったかな。大規模管理農業となると思うけどね。そのレベルなら、たしかに人間よりAIのほうがよっぽど優秀だ。AIだと酒を飲み過ぎて翌朝水やりを忘れたなんてことは決して起こらないからね。とすれば、人間の固有の能力はそこにはないことになる。将来AIに取って代わられるような能力は全部要らない・・・とは言わないまでも、少なくともいい加減でいい。だいたいのことができればいいんじゃないか、細かいところはPCなりAIなりに任せる。それよりも、絶対にAIが太刀打ちできない能力を鍛えるべきだよね」
 
「AIを破った、あの将棋指しのような能力ですね」
 
「そう、そう。デタラメに強くなることだ。デタラメなところから何かを構築する力、創造する力だ。欲を言えば芸術的感性、あるいは直感もほしいな。かなり優秀なAIでもおそらくピカソの絵は評価できない。子供が描いた絵と区別できないからね。人間には一見デタラメのように見えるものでも、そのエッセンスの違いを読み取る感性(芸術的な直感)も具わっている。これからの時代に必要なのは、崩れてデタラメになったところから、人間特有の感性と創造力によって、役立つものを構築していく能力じゃあないのかな。知識も必要だが二の次でいい。資格を取ることや知識を詰め込む時間があったら、将来を見据えてそうした能力を養っていくべきだね。変化の激しい時代、もうそこに来てる。いや、すでに始まっているよ。だから、塾生君、失敗を恐れたらだめだ、失敗の経験から感性(直感)や創造力は鍛えられる。失敗を生かして当初目指していたとは別の、新たな成功を築くような能力、ひっくるめて言えば、柔軟性、その未来の能力を鍛えることだね」
 
参考記事:
→塾生との対話の記録「塾生の成長を目のあたりにして…」
→AIに取って代われないために「スティーブ・ジョブズのつながる力を信じるとは?」
→情動と感情の違い「生きているのではなく、生きていくことを学ぶ、それが愚放塾の演劇ワークショップ」
→愚放塾の才能教育「大学休学、不登校生の復学・復帰に向けた才能開花法」
→誰もが超一流に「10,000時間熱中するためには?」
→自然から生き方を学ぶ「滅びの力を利して生きること、それが自然の摂理である」
→自分を学ぶ
「生き方に迷っているあなたへ」
 
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