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スティーブ・ジョブズのつながる力を信じるとは?
2015/3/24 塾長ブログより
 
ジョブズの語った「死を想え」の意味するところは?
 
「アップル・コンピューター」の創業者であり、世紀の語り草となったPC「マッキントッシュ」の生みの親、iPod、iPhoneで世界中を驚愕させたスティーブ・ジョブズの、有名なスタンフォード大学での講演のなかで、とりわけ次の語りには心が打たれる。

…死は我々みんなが共有する終着点なんだ。かつてそれから逃れられた人は誰一人としていない。そしてそれは、そうあるべきだから、そういうことになっている。なぜというなら、死はおそらく生が生んだ唯一無比の、最高の発明品だからだ。それは生のチェンジエージェント、要するに古きものを一掃して新たなものに道筋を創っていく働きのあるもの。…しかし、いつか遠くない将来、若い君たちも古くなり、一掃される日が来る。…君たちの時間は限られている。だから自分以外の他の誰かの人生を生きて無駄にする暇はない。ドグマという罠に絡めとられてはいけない。それは他の人たちの考え方が生んだ結果とともに生きていくことだ。その他大勢の意見の雑音に自分の内なる声、心、直感をかき消されないことだ。自分の内なる声、心、直感というのは、君たちが本当になりたいことが何かを、もうとっくの昔に知っている。だから、それ以外のことはすべて二の次でいい

たしか、この講演でジョブズは3つのトピックを話している。1番目は、点と点をつなぐ話。2番目は、愛と敗北の話。そして、3番目が、上述の死に関する話である。

僕がこの3番目の話に感銘したのは、僕と同じように癌を克服したからではない。ジョブズもすい臓癌で死の淵を覗いて、少なくともそのときは癌に打ち勝ったと信じて語りかけてくる、その生きる強さもそうだが、それにもまして響いたのは、次の言葉だ。

「自分の内なる声、心、直感に耳を傾けよ、他人の雑音にかき消さることなく、それらが指し示す通りに生きろ」

人にとって死は唯一固有のものである。たしかに生もそうである。が、普段の私たちは、生活の雑音に紛れてその固有性になかなか気づかない。

しかし、死を前にしてはじめて死が自分一人のものだと痛感させられる。

最愛の人とも別れてひとりで死出の旅に出なければならない。その背筋が凍てつくほどの寂寥感は、翻って生きることの固有性に目覚めさせる。死は最高の発明品だと称賛するジョブズは、単に「生のチェンジエージェント」の素晴らしさを話題にしているのではない。生の固有性に目覚め自己の本来性を生きることを念頭において話している。

それが感銘の理由である
 
ジョブズの言葉の真意は何か?
 
そういえば、その3番目の話の枕ところで、ジョブズは17歳の時に出会った言葉を披露する。

「来る日も来る日もこれが最後の日と思って生きることにしよう。そうすればいずれ必ず、間違いなくその通りになる日がくるだろう」

以来、ジョブズは33年間、朝、鏡の前で自分に問いかけることを日課とした。

「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」

つねに死と隣り合わせにあることを肝に銘じて、この問いかけを決断を下すときの手掛かりにした。

たしかに、人生の意味は「いま」にかかっている。明日になって「いま」していることが意味を失ったとしても、「いま」が大切である。少しひねった言い方になったが、ジョブズが言いたいことにはちがいないだろう。
 
ジョブズの言葉から深い意味を探る
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一見もっともらしいが、しかし、ここには全身を震撼させるような論理のトリックが滑り込んでいる。そのロジックに気がつけば身震いせずにはいられない。確信犯的に使っている。風雲児ジョブズらしい。

ジョブズの言葉を文字通り受け取って、はたしてジョブズほど純粋に心のときめきに素直に従えるものだろうか?

今日が人生最後の日ならば、明日につながらない「いま」は意味を失ってしまうのが人情の常である。時間が止まる。死の力は世界からすべての意味を奪い取ってしまうからだ。

たとえ、好きなことをしても明日死んでしまうのであれば、本当に楽しめるかどうか。未来と断絶した状況の中で「いま」に価値あるものを見出すことができるだろうか。

たとえジョブズの言うがままに生きようとしても、大抵その心には、いつの間にか明日が滑り込んでいるだろう。明日とつながる人生最後の日としたうえで、その言葉を忠実に実践したつもりになっているだけ。ほとんどの人は、その自己欺瞞にすら気づかないにちがいない。

そう考えると、ジョブズの語り口は冷静だが、その内容は聞く者に凄絶な覚悟を求めている。明日処刑される死刑囚のような心持ちで、毎日を、自分にとって本当に大切なものと感じることだけをして過ごしなさいと言っているに等しいからである。
 
ジョブズの生き方に、ごまかしはない
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大学を中退した彼は、その後、去った大学のカリグラフィの授業にもぐった。むろん将来生きていくうえで役立つからではない。興味と直感、その内なる声を最優先した。今日が人生最後の日として満足して死ぬ方を選んだ。強靭な死生観を持っていなければ、到底実践できるものではない。

偉大な成功を収めるということは、そういうことかもしれない。つまり、計算だけでは大きな成功は手に入らないということだ。現状を飛び越えて大きな結果を手に入れるには、自らの直感にしたがって、「いま」は無意味なことでも夢中になることが将来を約束する。たしかに逆説であるが、そうはいえないだろうか。

世の人は、つねに「どのように」するのかを問う。しかし、天才は「何を」したいかだけを問う。けっして「どのように」に執着しない。「どのように」は刻々と変化する状況の中で自分で生み出せるという自信があるからである。

いや、話は逆かもしれない。「どのように」を執着しない柔軟な思考力があるからこそ、直感の点と点を線にすることができるのだ。まさに「つながる力」である。環境とつながり、過去とつながり、自分とつながる力、そして、そのつながる力を信じる力である。ジョブズが直感にしたがって寄り道したカリグラフィの授業は、後年マックの美しいフォントとして結実する。

ジョブズは1番目のトピック「点と点をつなぐ話」を次のように締めくくった。

もちろん大学にいたころの私には、まだそんな先々のことまで読んで点と点をつなげてみることなんできなかった。だけど、10年後ふりかえってみると、これほどはっきり見えることはない。未来を先回りして点と点をつなげてみることはできない。君たちにできることは過去をふりかえってつなげることだけなんだ。バラバラの点であっても、将来それが何らかの形でつながっていくことを信じること。根性、運命、カルマ、何でもいい、とにかく信じること。点と点が自分の歩んでいく道の途上のどこかで必ずひとつにつながっていく、そう信じることで君たちは確信をもって自らの心の赴くままに生きていくことができる。結果、人と違う道を行くことになっても、それは同じ、信じることですべてのことは間違いなく変わる。

 
参考記事
「『死の経験』を潜ること、それは真の生き方を学ぶこと!」
「ほとんどの人は目標を投げ出すが、投げ出さない人の特徴とは?」
「変革体験は幸福を永遠に刻印する」
「キレイごとに聞こえるかもしれないが、極限もそう悪くない!」
「生き方に迷っているあなたへ」
 
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