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不登校生へ贈る言葉
2015/3/27 塾長ブログより

 
不登校の子を持つ母親から、電話で相談を受けた
 

当事者は高校1年生の女子である。昨年の12月から高校へ行けなくなり、三者面談のとき担任から保健室登校を勧められてその場では「はい」と返事をしたものの、一度も登校することなく、現在に至っているという。

フリースクールを訪問したり、心療内科の先生に相談したり、通信制の高校の入学手続きを取ったり等、いろいろ対策を講じているがなかなかうまく行ってないのが現状で、そもそもの原因がわからず、親も困惑の度を深めているようだ。

両親共働きで兄弟は学校なので、日中はひとりで部屋にいる。むしろ本人はそのことを望んでいる。

母親は心配する。
一日中ひとりで部屋にいると、スマホばかりを見る生活になってスマホ中毒になるのではないかと。そこでスマホを管理して時間を決めて渡すことにしたという。

父親は父親で心配する。
このような生活が続くと将来ひきこもりになってしまうのではないかと。直接本人と話をしてやりたいことを聞き出したり、外へ出ることを勧めたりして、部屋にこもる生活をなんとか改善させようと手を尽くしているという。
 
一番不安なのは当事者だろう
 

学校へ行けなくなった原因については、おそらく自分では心当たりもあろうが、解決法がわからない。どうしてよいか一番困惑しているのは本人にちがいない。十代のころは誰しも将来に不安を持った記憶があるだろう。

この世に生を受けてまだほんの十数年、経験が少ないうえに心身も不安定で、あることないことを思い悩んで心配の種は尽きない。大人になることさえ尻込みしてしまう。

学校に行けないこと、当人にとってみれば周りで考えている以上に不安、いや、恐怖ですらあるだろう。世間一般の道から外れて、将来を一番心配しているのは間違いなく本人である。
 
それぞれの思いが絡み合って、身動きできない
 
両親と本人、どうすればいいのかわからず困惑して、3人3様それぞれに将来を心配している図が見て取れる。が、電話の向こうから聞こえてくるのは、困惑して心配する声だけではない。各自の責任感がひしひしと伝わってくる。

職場の要職についている母親は日々の帰宅も遅く、いままで十分に手をかけてあげられなったこと、そのためにそうなったのではないかと自責の念を抱えながら、母親としての責任を感じている。

厳格で自分にも厳しい父親には、だいいちにこのような生活をしていてもよくなるはずはないという信念があって、「いまというタイミングを逃したら取り返しがつかなくなるのではないか」という思いが働いている。はやく手を打ってあげるのが親の責任であると感じている。

そして、本人は自分のために責任を感じている両親の姿を見るにつけ申し訳なく思うと同時に、期待に応えられない自分に責任を感じている。

各自の責任が絡みあってまったく身動きが取れないようにも感じられて、僕自身切なくなってしまった。親の気持ちを慮っても、子供の気持ちを感じても、何も言えなくなってしまった。
 
僕の返答
 
といえ、相談を受けたからには、何か手立ての一つも提案したい気持ちも強い。こう切り出した。

「ご両親の気持ちを考えたら、何も言えませんが、お話を聞いていて感じたことが二つありました。ひとつは、子供の生きる力を信頼してあげること。もうひとつは、結果と同じくらいプロセスを大切にすること。この二つです。

ひとつ目の具体的方法は、信頼して待ってあげること、信頼して見守ってあげること。信頼して一緒に行動してあげることだと思います。

ふたつ目、これが大切だと僕は思うのですが、その具体的な方法は、親がまず結果を期待しないで現状を受け入れることだと思います。まず親御さんが現状から楽しみを見出すことに努めることではないでしょうか。現状でしかできないことを子供と一緒に考えて、子供と一緒に楽しむことだと思います。

世間の価値観を裏返せばいろいろな楽しみが見えてきます。そうですね、逆に考えてみれば、いまたっぷりある時間こそ楽しみの宝庫です。何の制約もありませんから、失敗はありません、思い切ったことができます。小さなしたいことを少しずつして、今までできなかったことやってみて、未知のことにも恐る恐る挑戦して、やっていること、できたことを純粋に楽しむことではないでしょうか。

まずは、子供が一番喜ぶところから始めて、たとえばディズニーランドにでも泊りがけで言ってみたらどうでしょうか。徐々に趣味や興味関心のある分野を渡り歩いて、いろいろ楽しんでいるうちに、自然と将来のほうへ目が向いていくでしょう。急がば回れです。あまり結果を急がないで楽しむことを心掛けていれば、きっとその子にふさわしい結果が、その子の才能を開くような答えが見つかるのではないでしょうか」
 
参考記事:
→人生において絶望は大切です!「休学生、不登校生よ、絶望も輝くのだ!」
「自然農法の考え方は、不登校の生徒に接する仕方において目から鱗である」
→荒くれ生徒たちと不登校生の共通点とは?「期待しないで見守ること、その信頼がバネになる」
→本人の歩み方を応援する「大学不登校、休学生の復帰・復学への道筋を考える」
 
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