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デヴィッド・ルヴォーの思い出(1)
2014/5/22 塾長ブログより
 
若手演出家6人に選ばれたのが、出会い
 
昨日の夕刊(日経)の文化欄にイギリス人演出家のデヴィッド・ルヴォーの記事が載っていた。懐かしい顔だ。いささか老けた感じだが、眼光は相変わらず魅力的。遡ること、15年前僕は若手演出家の6人に選ばれて、彼が指導する「演出家のためのワークショップ」に参加した。

ちょうどワークショップという名前が世の中に定着し始めたころで、アート系ワークショップや専門研究系ワークショップから地域おこしのワークショップ、癒しのワークショップなど、さまざまな名前のついたワークショップを次第に目にするようになった。もちろん、演劇の分野でも俳優のためのワークショップ、舞台美術家のためのワークショップなどがあり、当時はまだ演劇界も活況を帯びていた。ただし、演出家のためのワークショップだけは目にしたことも聞いたこともなかった。いまもほとんど行われていないだろう。
 
ワークショップとは、協働実験の場
 
ワークショップとは何かという定義が曖昧のまま日本では巷に流通する。なんでもかんでもワークショップで片づけてしまう、それが日本の包容力と言えばそうだが・・・本来ワークショップは協働作業場の意味で、その機能的な意味合いは、あるテーマのもとで参加者が集い、自由に意見を出し合い、相互作用の中から奇抜なアイデアが創出される、それが本来の定義なんだろう。

デヴィッド・ルヴォーの「若手演出家のためのワークショップ」は、魅力的な本場の風が全身を吹き抜けていった。まだ若かった僕になんとも刺激的な体験だった。むろん、本場というのは、演劇の本場の意味もあるが、ワークショップの定義に忠実な本場という意味である。
 
ワークショップ初日に度胆を抜かれた
 
ワークショップの初日、小雨の降る6月の末日、僕は駅から傘もささずに会場に駆けつけた。ドアを開けると、シーンと静まり返っている。すでに始まっている。人の多さに少々怖気づく。長髪にパーマをかけた映画俳優のような男が中心にいる。もちろん、デヴィッド・ルヴォーである。集められた演出家は6人のはずだが、会場は立錐の余地もない。人いきれでむんむんしている。僕はおそるおそる隅っこに腰を下ろした。主催者側の話がひと通り終わる。

当時の僕は度肝を抜かれた。

ここに集まった面々は……若手演出家と称される僕らを除いて、あとのほとんどは俳優だった。しかも、みんな名の通った俳優たちばかり。いまを時めく、渡辺謙、平田満、阿部寛、田中哲司、小林勝也、若村麻由美……
 
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