復学・復帰は通過点、大学休学生、大学不登校生のための演劇教育

大学へ行けないで悩んでいる皆さん、いまのみなさんの置かれた状況は、決して悪くはありませんよ。

大学へ行けないことは、みなさんの心が選んだ結果です。たとえ原因が分からないにせよ、その選択を大切にしましょう。

いまの自分を肯定し、自分の選択に責任を持つこと、それが本来の自分を花開かせる最初の一歩になるのです。

今回は、自己開花の方法として、愚放塾の演劇教育の考え方を紹介します。

社会の価値観に迎合しない!

世間を見渡しますと、日本の社会も、声の大きな人が幅をきかせ、人付き合いのうまい人が競争に勝ち、口の達者な人に注目が集まる、そんな社会になってしまったようですね。

たしかに、グローバル化した競争社会を勝ち抜くには、かつての日本のような協調性を重視した組織運営には限界があるのでしょう。

黙々と努力する内向的な人よりも、生き馬の目を抜くような外向的な人の方が、たしかにいまの世の中に適していることは間違いありません。

しかし、僕は別の観点から社会を見ています。

もうそんな努力はうんざりだ!

最近は至る所で、コミュニケーション能力が取り沙汰されます。

企業の採用基準もコミュニケーション能力がトップに挙げられるご時世。たしかにプレゼン全盛時代に、人付き合いの仕方から相手に伝える方法まで、コミュケーションスキルは欠かせません。

人とうまく接する術やコミュニケーションスキルを身につけるために、自己紹介の仕方から顔の向き、目線のつけどころ、姿勢の良し悪し、仕草などのふるまい方、挙句の果てには、笑顔の作り方まで学んでいる若者も少なくないと聞きます。こうなると、笑い事では済まされませんね。

人間には向き不向きがあります。

内向的な人が、本来の自分を投げ捨て外向的になろうとしても無理があります。「やればできる」と教えられて頑張っても、一向に身につかないこともあるのです。

性に合わない努力を無理にすることは、かえって自分自身を傷つけます。そんな努力はもうやめにしませんか。

みなさんが、大学に行けない理由はちゃんとあったのです!

近い将来を見通した時、AI(人工知能)が人間に変わって仕事をする分野も多くなるでしょう。下手するとAIの下で働く羽目にもなってしまいます。

このような時代の到来に備えるには、人間ならではの特性を十分に発揮させる必要があります。多面的な価値観を持つ必要があります。

鏡の中でこちらを見つめ返している本来の自分に気づきましょう!

来たるべき未来が要求しているのは、その人の本来の能力を花開かせることです。何物にも取って代えられない独自性を発揮するスペシャリストが活躍する時代は、もう目の前にまで来ています。

誰もが自分の能力のうち5パーセントも活用していないといわれています。じっくり時間をかけて、自分の裡に秘めた潜在能力を開拓しましょう。

本来の自分と邂逅し、正しい方法で、自己開花を実現させましょう。

愚放塾の演劇教育は、内面に潜んでいる魅力を引き出す。

内向的な人は演劇に向かいなと思っている人が多いでしょう。しかし、実はちがうのです。

優れた俳優のほとんどは、内向的です。内向的であるからこそ味わいのある演技ができるのです。大勢に交じっていると自分が透明になったように感じ、まわりからも存在感のないように思われている内向的な人が、演劇トレーニングによってひとたび舞台に上がると、大きな光の輪の中にいるように輝いたりします。

人間は必ず内向・外向の二つの側面を併せ持っています。僕は演出家でもありますが、俳優を育てるときに、その人の表向きの性格と反対の側面に焦点を当てます。内向的な人の外向的な部分の魅力を引き出すのです。また外向的な人であっても、その人の中に隠れている内向的な部分に光を当てます。

その人がいままで封印していた内なる書物がまさに開かれ、見えないエネルギーが奔出するからです。

愚放塾の演劇教育は本来の生き生きした自分を発見する!

大概の人は、たくさんの鍵盤があるにもかかわず、ひとつの鍵を押すことしか教わってきませんでした。自分にはたった一つの音色しかないものと思い込んでいる人も多いことでしょう。

しかし、ちがうのです。

自分のなかには沢山の白鍵、黒鍵があり、その組み合わせで無数の音が潜んでいるのです。本来の生き生きした自分とは、ピアニストの指がまるで生き物のように自由自在に動いてさまざまな音色を奏でるのと似ています。

即興演奏のように、その時々にいろんな音色が消えては現れ,その配列によって幾多もの自分が表現されるのです。それこそ抑圧から解放された本来の自分であり、生き生きとして魅力のある自分なのです。

復学・復帰を目指す大学休学、不登校の方へ

卒業公演の当日パンフレットに載せた塾生のコメントの抜粋を紹介します。

今日は僕が木戸佑兒先生の下で学び始めてからの集大成、卒業公演の日を迎えました。

演劇ワークショップから始まり、畑仕事や哲学を通して、さまざまな課題に気づき、自らの力で解決することに取り組ませていただいた1年間でした。

特に、本日公演させていただく劇では、練習の中で最も苦手なこととして、いままでの人生に常に横たわっていた「自分を曝け出すこと」を指導していただきました。
多彩な性格を見せられたらと思います。ご覧になっていて、飽きのこない演劇を目指します。よろしくお願いします。

みなさんはどう思われますか?

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参考記事:
「愚放塾の演劇教育」
「塾長インタビュー:演劇とは何だと思いますか?(Q16)」
「塾長インタビュー:なぜ演劇を「愚放塾」の中心に据えているのですか?(Q4)」
「演技の力」
「『プリコラージュ』演劇教育法」